もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネージメント」を読んだら

もしドラ」です。「もしも、ドラえもんがいたならば♪」

ではありません。昨年のベストセラー。今頃読んでみました。それにしても人目をはばかる表紙です。最近はいろんなものを萌え系で説明することが流行っているので、きっと本書もその流れなのでしょう。でもちょっとリアル感がある女子高生、ここがポイントですね。きっと萌えに抵抗感があるオヤジ世代にもウケた理由でしょう。

内容的には普通の都立高校生が甲子園へ目指すというストーリーです。なんだかキャラ立ちし過ぎた生徒が勢ぞろいというところもポイントです。そして、萌え系になくてはならない心の葛藤劇が繰り広げられます。

しかし、それらのありがち展開を超えて本書が読まれた理由というのは、ドラッカーの「マネージメント」を上手く読みこなして自分のものにしていくという流れなのだと思います。「マネージメント」は確かに素晴らしくて、多くの人が読んできているのだと思うのですが、何しろそれを自分の行動として、組織に生かしていくというのが非常に難しいのです。ある意味理想論で終わりがちなのがドラッカーの「マネージメント」なのです。具体的な方法論として展開出来ないところが弱みといったところでしょうか。それを本書は上手く咀嚼して表現しているのです。

そんな訳で、萌えとかお涙頂戴とかありえないような都合の良い展開とか、いろいろ突っ込みどころは満載ですが、一読の価値のある一冊に仕上がってます。これ読んで、ドラッカー人口が増えるのならば万々歳ではないでしょうか。でもマネージメント・エッセンシャル版が無難ですけどね。完全版は冗長で難解なので・・・