宇宙は何でできているのか

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

去年出版されてなかなかの人気でした。筆者は東大の数物連携宇宙研究機構というなにやら難しい組織の機構長を勤めてらっしゃいます。講演活動も積極的に行っているということなので、市民の教養レベルをあげるためにも、次世代育成のためにも喜ばしいことです。物理実験を行うためには莫大なる資金が必要なので啓蒙活動は欠かせないということでしょう。

内容はといえば、今まで物理系の本数冊読んできましたが、さほど違いはありませんでした。最新知識へのアップデートを期待したのですけども、基本的なことから説明しているし、新書なので説明出来る範囲というのには限りがあるのでしょう。とはいえ何回読んでもクオーク理論辺りから理解があやふやになってしまいます。私の頭脳の限界はどうやらその辺りにあるようですね。

「ワープする宇宙」とは違ってヒモ理論は軽く紹介するに留まっております。きっとまだ理論ベースであって、確実に実証されていないからなのでしょう。日本人の物理学への貢献も多く記載されてますね。物理では意外と長きに渡って人材を排出しているんですね。最近では光の速度を超えるニュートリノの話が大きな話題になりましたね。凄いことです。アインシュタインを超える理論が出てくるかもしれません。大きなパラダイム変換の入り口にいるのかも。そんな訳で今後も筆者達、日本の物理学者の活躍に期待ですね。