会計トリックはこう見抜け

会計トリックはこう見抜け

会計トリックはこう見抜け

本書はエンロン事件後の米国で書かれた本なのですが、今から10年ちょっと前の出来事とは思えないくらい、初歩的とも思える会計詐欺の話が並んでいます。逆に2000年代以降、毎年のように繰り返されている会計基準の変更は、こういった会計詐欺を防ぐ目的で導入したと思われます。そういった意味で本書は、個々の会計基準が現在なぜこうなったのかを、時系列で知るために読むのに適していると思われます。逆に本書で記載されている会計トリックはもはや古典と呼ばれるものとなってしまったので、それを防ぐための改訂が行われており、そのまま適応することは難しいでしょう。

それにしても、本当にいろいろと抜け穴を探して投資家を騙してますね。業績悪化を悟られないようにするためや、IPOのために好業績をアピールしたいなど様々な理由があって面白いのですが、これだけ会計制度や内部統制の仕組が強化されようとも、今後も手を変え、品を変え、詐欺を行う会社が現れてくることは間違いないでしょう。