大東亜戦争 敗北の本質

大東亜戦争 敗北の本質 (ちくま新書)

大東亜戦争 敗北の本質 (ちくま新書)

「失敗の本質」の共著者である筆者による、再度の敗北学です。日本がなぜ先の戦争において負けたのか、冷静にかつ簡潔に纏めてられます。お父上は日本軍の参謀であられたようですが、これほどかというくらい日本軍のダメさを綴っております。この本読んでみると、そりゃ負けますはね、と思ってしまいます。

やはりそもそもの原因は日露戦争で勝ち過ぎてしまったのが原因なのですね。その勝ちに驕り、時代の変化を冷静に見極めることが出来なかった。特に第一次世界大戦の教訓を生かすことが出来てないのです。中国なんぞを相手にしていて、突撃すりゃなんとかなると思い込んでしまったのが大間違いです。相手が違います。

そして戦略という思考がない。国家戦略として、全体を統括する戦略思考が欠如していた。これはもう致命的ですね。確かに戦前の統帥権の問題があるのですが、それを置いてもどうしようもないくらいダメです。これはもう日本人の宿痾なのでしょうか。現代の日本企業にも当てはまるところがあるわけですから。