実践 行動経済学

実践 行動経済学

実践 行動経済学

「ナッジ」という聞き慣れない言葉から本書は始まります。「ナッジ」というのは人々が行動を起こす上での指針、または行動を起こす上での動機付けを与えるということです。何かを選択する際に、デフォルトがあると人々はそれを選択しがちですね。では、そのデフォルトをどのように設定すべきかということです。

この本は実践とは書いてありますが、個々の人々が行動経済学に基づいてどう行動すべきかということは書いてありません。政策や社会システムを設計する上で、「ナッジ」というものを考慮してどのように設計するのが望ましい姿かということが書かれています。しかも、事例が豊富なのですが、この事例がアメリカの社会問題を例にしているのでアメリカ社会の仕組に精通してないとイマイチぴんと来ないで消化不良状態となってしまいます。

最近、経済学の有用性が薄れてきているように感じられる中で、行動経済学がどのように利用されるべきかということを示したという点で本書は優れていると感じました。