- 作者: マイケル・ルイス,東江 一紀
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/01/25
- メディア: 単行本
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今回はヨーロッパのソブリン危機の話が中心です。ギリシャとか、アイスランドとかの危機はニュースで見聞きしていましたが、こんなに面白い顛末だったとは思いもよりませんでした。ギリシャ危機のそもそもの発端はある修道院をめぐるスキャンダルだったとか、アイスランドの単なる漁師達が一流の投資家として偉そうに投資活動を繰り広げていたとか、日本にいるだけでは知り得なかったことばかりです。しかもなんだか書きっぷりが面白いので、そんなバカさ加減も笑えてきます。ドイツも意外とアメリカ人にカモられ続けてきたのですね。
最後の章ではアメリカの自治体破産の例として、カルフォルニアを挙げています。破産に至るまで、止めることは出来なかったのかと思ってしまうのですが日本でも同じですね。アメリカは消防署と警察署が力を持ってしまいましたが、例えば大阪なんかは交通局と清掃局がガンだったわけです。橋下氏の力でそれも解消に向かいつつあるという印象ですが、国政に出てどうなることでしょうか。
それはおいておいても、実はソブリン危機というのは目下のところ先進国であっても人ごとではないのです。日本なんか、もうずっと噂されてますが、なんとか乗り切ってます。だからと言って、今後も乗り切れるとは限らないことを忘れてはならないでしょう。実際、日本は国内で消化しているから大丈夫だ論も時折見かけますが、国が借金を重ねている現実は変わらない訳で、どの時点でそれが解消に向かうのか、いつまでも借金を重ねることは出来ない以上、終わりがどうなるか想像してみる余地はあると思うのです。