ファスト&スロー上

ファスト&スロー (上)

ファスト&スロー (上)

心理学の本です。人間の思考回路がどのような手順で動いているかについてです。ファストはシステム1と呼ばれ、直感で物事を判断する系統。スローはじっくり物事を思考して判断する系統で本書では怠け者ということになっています。

コンサルの仕事をやっていると、周りの人達がシステム1のこのファスト回路を一切受け付けないことに気が付きます。感覚的に正しそうだと信用するということをしないのです。そして、ミーシーだ論理思考だのを使って本当にそうなのかを自分で納得行くまで検証するのです。俗にいうゼロベースでモノを考えるというアレです。そこから考え直すの?っていう感じで。あぁ面倒くさい人達だ。感覚だけで生きて来た私には本当に心折れる、いやじれったい。イライラする。でも往々にしてその方が正しいこともあるのです。そして、それをしない人はやっぱり怠け者扱いになってしまうんです。

後半は人間の思考回路が如何に統計的処理に向かないかを延々と語っています。いや、もうわかったからというくらい。そして多くの専門的職業がいかに間違うかということを。例えば医者や証券アナリスト、人材評価などなど。感覚が如何にあてにならないかということをこれでもかというくらいです。全ては平均回帰すると。統計的分布には逆らえないと。全ての判断はバックテストに裏付けされたロジックに基づいて、淡々と行うべきであると。