投資の大原則

 

 バートンマルキールとチャールズエリスという投資界の大御所が執筆した本です。でも大原則と書いてあるだけあって、原則が簡潔にまとめられています。なので200ページほど。あっという間に読めてしまいます。

 

で、その大原則というのはこれまたもうずっと言われていることですが、インデックス投資です。これしかないですね。本書を読んでいるような人は「ウォール街のランダムウォーカー」「賢明なる投資家」などをすでに読んでいるでしょうから、内容的には目新しいものはないかもしれません。まぁつまりこれこそが大原則であることに違いないのでしょう。

これを知らずに個人が不動産投資をしてはいけない!

 

 題名通りの本です。まず読んだ方が良い内容をきちんと整理されて教えてくれます。本当に成功した大家さんの個人的経験のみの本を読んでも多分に”幸運”という要素を意識しないで書かれているのであまり参考にならないですね。

 

不動産市場の見方とサイクル、不動産価格の形成のされ方や種類、物件タイプごとのメリットデメリットなど本当にわかりやすいです。そして一番良かったのが、投資目的、投資レベルを明確にして、どのように不動産投資を行っていくかという道筋を明らかにしてくれている点です。当然ながらそれぞれに応じてキャッシュフロー、投資額、借入額それぞれ異なってくるのです。

 

最後の10の黄金法則もタメになります。特に「9、今投資しない、次のボトム局面まで待つことも考えよう」いや、全くその通りなんですけど、ボトムはなかなか来ないですね〜

40代から始めて100歳までHappyに生きる不動産投資術

 

 Amazonの評価がよかったので読んでみましたが、自分としてはイマイチな内容でした。あの書評はお仲間の方が書いたのですかね。確かに仲良い方々にとっては頼れる先輩なのかもしれません。

 

内容は半分くらいは著者の半生と人生構想のお披露目です。40代から50代にかけて、マンション市場の高騰とぶつかって良かったですね。確かにサイクルがあるのかもしれませんが、現状ではまだ下落していくサインは見れないです。しかし本書で自分が期待していたのは投資術というところです。強いていえば今は待ち、キャッシュを貯めなさいぐらいでしょうか。いや、それくらいなら別にわかってますって。

 

なんか今までで一番キラキラ感満載、中身なしの一冊でした。

大学入試改革後の中学受験

 

大学入試改革後の中学受験 (祥伝社新書)

大学入試改革後の中学受験 (祥伝社新書)

 

 大学入試改革が何やら行われていて、バタついているというのはニュースなどで知っておりましたが、これほどまでとは初めて知りました。今までの偏差値テスト点数主義を改めるのはまぁ仕方ないにしても、迷走感ありありで現役の受験者などはたまったものではないでしょう。思考力、アクティブラーニングが求められてくる時代で明治以来続いてきた「知識」を問う試験というものが役に立たなくなってきているという背景があるのですから。

 

ではだからどうしていけば良いのかというのが、本書後半で語られている内容です。傾向としては良い学校が高校募集停止の流れとなってきているので、入るなら中学からというのが一つ。これがまた中学受験激化の要因の一つですね。よく知らない新設校が多くて、オジさん的にはこんなところ金掛けて入るなら公立で十分なのではと思ってしまいます。それと思考力を問う試験については、実は難関校ほど昔から求められており、今回の大学入試改革には影響されないのではという点です。バカではないけど、難関校へ入るほど賢いか?という子を持つ親として進路選択は悩ましい判断となりそうです。

 

乱

  • 作者:綱淵 謙錠
  • 発売日: 1996/12/01
  • メディア: 単行本
 

 戊辰の役を幕府側の視点から描いた一冊です。しかも幕府お雇いでフランスから砲術指南のために来た若手士官が実際に五稜郭まで行ったという実話を元にしています。リアル「ラストサムライ」ですね。上下2段組の700ページで読み終わるのに1ヶ月以上かかりました。それもそのはず本書は10年越しの労作ですが、残念なことに途中で筆者が逝去されてしまったので一番のクライマックスである五稜郭の戦いの前で終わってしまってるのです。これは筆者も心残りだったでしょう。そういえば足掛け数十年の幕末ギャグ漫画「風雲児たち」もまだ生麦事件辺りでしたね。こちらもきっと描き切ることなく途中で終わってしまいそうな勢いです。

 

二つの作品に共通するのは膨大な資料を元にした考証に多大な労力をかけている点です。本書でも色々な資料を元に、整合性を照らし合わせてチェックして誤認の有無を確認して、間違いがあれば筆者の推論をまとめて一つづつ史実の流れを描き出して行きます。それは本当に緻密な作業で正確な日付まで間違いないか度々検証されてます。

 

幕末というのは色んな出来事が多発的に発生し、それらが相互に影響を与えながら行くので描く方も大変だけども腕の見せ所であり、それが面白いところでもあるのでしょう。本書は幕府側の視点から多くを描いているのですが、慶喜が幕府の影響力を保とうと苦労をしながら最終的に薩長の勢いに飲まれて力を失っていく様が刻々と描かれています。一時は盛り返し、勢力争いに勝ったかのように思えたのですが、(ちょっとその原因のところは明確ではなかったですが)あっという間に形勢を覆されてしまいます。そして最後が鳥羽伏見の戦い。ここがやはり水戸史学のお膝下で育った慶喜の限界であったのかもしれません。

 

本書のポイントである、仏士官ブリュネはデッサンが非常に上手で、本書でもそれを辿りながら話を進めています。いくつかのデッサンが掲載されてますがもっと多く掲載して欲しかったですね。なにせ本人が活躍する場である五稜郭の戦いまで辿り着けなかったのですから、アピールポイントがないまま終わってしまったのは重ね重ね残念なところでした。ただ本書のことはネットの記事で知ったのですが、きっと自分の知らない素晴らしい著作がきっとまだいっぱい埋れていることでしょう。本書のことを知ることが出来て本当に良かったです。

サードドア

 

 著者は19歳で投資家になって、本を出版してますが、その元となるのが著名人とお近づきになって、知己を得るということです。そのために苦労を厭わずインタビューの依頼をしまくります。そしてその中で、更に彼に仲良くしてくれる人を伝って著名人サークルに入り浸るというサクセスストーリーです。

 

つまりそんな著名人を見つけるという成功への道が三番目のドアということです。確かに一般ピープルにとっては成功への抜道でしょう。しかし何の取り柄もない大学生がそれやってどうするんでしょう?相手してくれる著名人もなかなかお人好しですな。全国の大学生がそれやり始めたら相手するだけでも大変です。しかしこんな方法で成功して楽しいのかなぁと思ってしまいます。だって自分はすっからかんなのですから。仲良い著名人がいるというだけです。それを糧に、浮つくことなく、自分の人生を始められることが出来るのなら、素晴らしいことだと思います。

日本人のためのお金の増やし方大全

 

日本人のためのお金の増やし方大全

日本人のためのお金の増やし方大全

 

 日本人のためということですが、元々アメリカで出版されたものに対して注釈をつけたような感じです。著者はアメリカで様々なビジネスを展開されているようでまぁ至極真面目な感じではあるのですが、「情報商材」「ライセンシング」「ネットワーク」など出てくるので日本で見るとだんだん怪しい商売の人達に感じられてしまいます。収入源を複数持ち、副業して増やす仕組みを構築しましょうということです。個別の方法論までの仕組み構築までの説明まで読めば十分な気がしました。