恐るべき子供たち

恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)

恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)

コクトーの著作。なんとなく一遍読んでみたかったんですよね。この文庫で新しく出版されたみたいなのでようやく読んでみる事にしました。目玉物語と動機は一緒ですね。

で、お話もなんだか目玉物語と似通ってます。少年少女の思春期を題材に採ったあたりが。しかも、しっちゃかめっちゃかなオトナが顔をしかめるようなことをやってそれを子供の特権だと、あたかもスゴイことをやってのけたような書き方も一緒です。あとはこの物語では姉弟間、目玉物語も幼馴染といった非常に近しい間柄でのお話というのも共通してますね。

子供時代には多かれ少なかれ、みんなこのような常識から外れたような経験をしたし、したいと考えてきたわけなんですね。まぁこの歳になれば、そういうのももういいかなって思ってしまいます。まともに生きるというのは、子供からみればつまらない常識人と映るのかもしれませんが。

それにしても、この文庫の選書は良いですね。なんとなく読みたいなぁって思っていたのを選んで出版してくれます。この路線でいけば、次はプルーストの「失われた時を求めて」を期待したいところです。