「事業仕分け」の力

「事業仕分け」の力 (集英社新書)

「事業仕分け」の力 (集英社新書)

この本読んで、書評書く前に首相が変わってしまいました。本書の著者の枝野氏も幹事長になられるようで。だいぶ出世されてますね。人材の層が薄いのかな・・・

っとそれは置いておいて。この本は事業仕分けについてですね。事業仕分けについて、とっても熱く語ってます。確かに画期的だし、この事業仕分けが産み出す効果というものもそれなりもものがあるように思えてきます。事業仕分けってつまりは国家財政の贅肉落としみたいなもんなんですね。若い頃の高度経済成長時は、多少無茶しても気にならなかったことでも積極的にやらないと贅肉は溜まる一方なのですよ。

結局国家が行っていることが予算の分配の一言に尽きるというならば、改革を行う度に既得権者が悲鳴と怒号を挙げるわけであり、それをマスコミが面白おかしく取り上げているうちはどんな改革も元も木阿弥となり兼ねないのです。民主主義と称して、国民遍く合意を取ろうものなら結局既存のものに足を引張られ、何も変わっていくことは出来ないのでしょう。そういった意味で、些細なことからでも流れを変えていこうという事業仕分けには方法論として1つの存在価値というものがあるように思えます。

ただ、気になるのは最終章で11月に行われた一回目より、二回目三回目以降の方が実質的には深い意味があるということが書かれていることです。実際に行われていたようですが、マスコミの報道を見るとあまり結果は有効ではなかったように感じてしまいます。マスコミの報道だからかもしれないので、当事者としてそこら辺を補記したものを追加出版して欲しいものです。忙しくなりそうだからムリだろうけど。