- 作者: 三品和広
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2011/08/04
- メディア: 単行本
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この本によると、イノベーションも品質向上も周辺分野への事業多角化も新興国への進出も全てムリで意味のない施策となってしまいます。それじゃ一体何をすればいいんだという感じですね。なかなか厳しい状況です。でも重要なことは会社の施策ではないのですね。会社の経営体制なのでした。つまり戦後の創業社長が姿を消してから、今いるのは単なる操業社長。運営管理が上手いだけの社長ということです。
ここがやはり重要なポイントなんですね。創業社長のワンマン体制に嫌気がさした人達が集団指導体制に移行したとのことですが、結局強いリーダーがいなくなってしまったということなのでしょう。我が国の政治と全く同じことじゃないですか。人数が沢山いる団塊の世代のなぁなぁスタイルの成れの果てということですかね。
本書は量としては軽くて読み物としてはちょうど良いのですが、なんとなく中途半端で消化不良感が残ります。たぶん幅広いジャンルを扱おうとしているので記述量が少なくなってしまったせいでしょう。そういう意味ではもっと深堀してボリューム満載で、かつ結論をリーダー不在というところで明確な構成作りをしていたら良かったのにと思います。やっぱり結論スティーブジョブズはビジネス戦略を扱う本としてはイージーに映ってしまいますから。