本物のリーダーとは何か

本物のリーダーとは何か

リーダー論の古典ともいうべき一冊です。ただ初出は古いのですが、日本訳が出版されたのは2011年になってからだったのですね。

この本でまず明快に書かれているのは、リーダーとマネージャーの違いです。未だにここのところは勘違いされていることが多いのですが、とても重要なことです。マネージャーとは単に管理者に過ぎないのです。リーダーとは人を導く。帯に書かれている通り、マネージャーはものごとを正しく行い、リーダーは正しいことをするのです。

そして凡人に心地よく響くのは、リーダーとは天性のものではないという言葉でしょうか。人は生まれながらにして、リーダーであるのではなく、リーダーになっていくのです。これは多くのリーダー達を実際に調査対象として、様々な角度から分析又はインタビューなど交えて来た結果によるのです。そして、そのための行動様式がまとめられているのです。

ビジョンを作り、その意味を伝え、権限委譲を行い、信頼を持って見守る。実は簡単ながらこれだけなのです。これくらいどこだってやっているよと思われるかもしれない。しかし、実際どれくらいそれは確実に行われているのだろうか。しかし、リーダーこそがこれらを通じて組織を変えて行けるのです。変革こそ、リーダーとマネージャーとの差であり、今の日本に必要とされているものなのです。