国家破産

国家破産・これから世界で起きること、ただちに日本がすべきこと

国家破産・これから世界で起きること、ただちに日本がすべきこと

著者のメルマガを購読して、はや10年近くになろうとしています。リーマンショック前まではいろんなジャンルのレベルの高い評論を目にしていましたが、リーマン以降はほぼずっと金融関係に関する記事となっていて、若干食傷気味ではあったところです。

本書の主張はいずれ国家は破産するという内容です。タイトルそのまんまでしたね。このことについて、膨大なるデータと様々な学説をもとにして積み上げていって検証していきます。修飾語のない、断定的な文章は論理的な説得力を持って、読んでいて圧倒されます。そしてとても納得してしまいます。

最終的にはハイパーインフレが解決策なのでしょうか。ただこれは日本だけの問題ではないのです。むしろバブル崩壊後、低迷して救いようがないと思われてきた日本を追い抜け追い越せ式で世界の各国が迫ってきているのです。まずはユーロ諸国。その後はアメリカか。最後が日本か。

しかし幸か不幸か筆者の主張はなかなか現実化されません。リーマンショック以降ずっと同じような主張をされてきているのですが。きっと政治家や中央銀行などが上手く誤摩化しているのでしょう。そして誤摩化しているうちに自体が良い方向へ向かうことを期待しているのかもしれません。なかなかに面白い世界ですが、自己防衛だけはしておきたいものです。