2050 日本復活

2050 近未来シミュレーション日本復活

SAPIOとかで連載されてそうな内容です。現状の日本を憂えた筆者による日本復活への軌跡です。2015年の日本から逆算して、このような対応を取ったので2050年にこうなったという論法です。日本が抱えているいろんな分野の課題について、それぞれ章建てをして対応策とその後のストーリーを展開しています。

著者はレーガン時代の対日交渉にあたった人というだけあって、やはりとても日本の問題に詳しいです。そしてその解決策も具体的です。でも多分理知的な日本人はそれに気付いているのです。でもどうしたら良いかわからない。行動力のある政治家もいるにはいるが、それを実行するための障壁が高く堅固なのです。この本にある再生委員会の提言はわかるが、ではそれをどう実行させていくかというのが、問題なのです。アベノミクスでも結局第三の矢は放たれたのかもわからないくらい何もありませんでした。

きっと知日派と呼ばれる、日本を良く知る外国人の方が歯痒い思いをしているのではないかという気がします。最近の日本人はひょっとしたら半分現状に甘んじ、半分諦めてしまっているかもしれません。この本に書いてある内容の一つでも実行しないと、沈んでいくだけなのは間違いないのですが。