- 作者: 奥村宏
- 出版社/メーカー: 七つ森書館
- 発売日: 2009/10
- メディア: 単行本
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著者は金融機関が巨大化することに違和感があるらしく、”too big too fail”はいかんということを伝えたいようですが、そんな人たちが昔は"over banking"とか言って数を減らそうとさせて合併を繰り返した訳です。そもそも数が多いのも、合併して巨大になるのも、結局経済規模が大きいからであって、国民の財産が銀行セクターに集まってくる以上別に悪いことでもなんでもないのだと思うのですが。中小企業への貸し渋りとかいうのも結局は貸しても元を取れないからなのですよ。倒産して不良債権になればそれもまた叩かれることになるのです。昨今リスク管理が徹底しているのでなかなか危うい会社へは貸すことは出来ません。継続して利益を出している会社へはどこも喜んでお金を貸してくれるのです。
結論として、”good bank”を目指そうと言ってますが、そのお手本としてマイクロファイナンスのグラミン銀行を挙げています。著者はグラミン銀行が日本の消費者金融以上の利子を取ることをご存知なのでしょうか。そんな利子率を日本で取ったら、それこそ避難轟々ですよ。金融不安を引き起こした金融機関に対して避難したくなる気持もわかりますが、よい解決策を提示するのもなかなか難しいものです。