クレイジーで行こう!

 

 日経BPで連載されていた起業家のエッセイを一冊にまとめたものです。起業家がどのようなことを考え、どのようなことをオペレーションしているのか、具体的に知ることが出来て興味深いです。

 

毎日コーヒーをがぶ飲みしながらアメリカの展覧会などイベントを周り、自分たちのサービスの可能性を探りながら磨き上げていく。初めはロボットの可能性を探していたのに、気が付いたらソフトウェアの価値の方が高いことに気がつき、そちらに方向転換。イノベーションの賞を受け、顧客を見つけ、最終的には大企業に売却という、正に出来すぎたようなサクセスストーリーです。

 

著者はそれをさも当たり前のように自然とやってますが、そんな簡単なことではないと思います。これは文中度々出てくるように正に現代の大人の冒険談なのです。アメリカに単身乗り込み、仲間を得て、旅を進めて行く。失敗すれば倒産し、物語はそれで終了。ハッピーエンドの企業売却にまではなかなか進めるものではありません。

 

それを進める筆者のあの熱量の高さ、前向きさ、明るさ、ガッツ、どれを取っても素晴らしいです。常に相手をプロとしてリスペクトし、どんなことにもへこたれず、突き進んで行くなんって並大抵のことではないですね。

 

そして彼の旅をサポートする社員達も一騎当千、強者揃いです。海外では自分の仕事の領域を持っており、そのプロとして生きているのがとても印象的です。振り返って自分には何があるのか。プロと呼べるのか。自分の領域で人をサポート出来るのか。ちょっとニッチ過ぎて、ニーズがあるかすら不明です。悲しくなってくるくらい。

 

筆者が日本を旗をアメリカに立てるといって、頑張る姿は正に自分が常思っていることと同じでした。つまらない国内に籠もってるだけの内向きサービスではなく、外に出て活躍出来るのが第一であると。それを有言実行出来るのが、素晴らしい。よくリ○ルート出身とかで起業家とか言ってる人いますが、その中で海外で活躍している人がどれだけいることか。筆者こそ正に起業家たるべき人です。今後の活躍を期待しています。