FIRE

 

 FIREといえば解雇のことだと思っておりましたが、最近は逆でRETIRE EARLYなんだそうですね。著者は30代にしてアーリーリタイアを実現したということですが、本当なのか?と思ってしまいますが、その極意を記したのが本書ということになります。

 

特に本書の10章は面白い示唆が溢れています。特に貯蓄率とリタイアまでの年数の関係はノーベル賞ものです。ここで面白いのはリタイアまでの年数は年収とは関係がないということですが、その曲線見るともう一つ大事なのは投資リターンなんですね。あぁ、やっぱりそこが大事なんだなぁと思ってしまいます。年率4%とか、それ以上とか海外ならいざ知らず、日本でそんな投資機会があるようには思えません。海外資産に投資しても、為替変動のせいか、なぜかパッとしないリターンなんですよね。この時点で厳しいですね。気の効いた人なら海外に口座開いて運用して、それで生活すれば良いのでしょうか。ただ筆者が凄いのは、まず30になるかならないかで1億の金融資産を形成したということです。単純にサラリーだけでここまで出来るというのはなかなか出来ないですよ。

 

筆者はこれに加えて海外旅行して、生活コストが割安なところで過ごすことで更に出費を抑えてます。これはまぁ以前から話は聞いていましたが、実践するとなるとなかなかいないかも知れません。日本人でもフィリピンとかタイとかに永住するって話はありましたが、結構皆さん耐えられなくて結局日本に戻ってきてるみたいですし。あとは子育て問題もあります。一応対応は書かれてますが、学校に通わせないという選択肢はないですね。集団生活やスポーツ活動など学習以外の側面を無視出来ないですから。

 

でもアーリーリタイアで考慮すべきなのは、本当にやりたいことをやるために、最低限生活出来る保証を得ておくということなのだと思います。人生百年時代であれば余計その考え方が大切になってくるのかと。再雇用/再雇用延長してまで一つの会社にしがみ付くよりかは、ある程度生活と子育ての目処がたてば、自分でやりたいことをやりながら自由に生きて行くようにするのがこれからの人生の在り方なのかと思います。