お金に頼らず生きたい君へ

 

純粋に「生きる」って何なのかを考えてみると、自力で何でもこなして衣食住を賄うという考えに行き着く人はそれなりにいるようで、著者もそんな考えに辿り着いてかつ実践しようとしているのが本書となります。結果として文明の利器の一つである、お金をなるべく使わない生活を営むことになるようです。確かにいろんなものを買うことで賄っている今の社会で「生きる」という実感が湧きにくくなっていることは確かです。多分その実感を噛み締めながら生きることで、確かに生きているという生身の感覚を感じていたいのだと思います。

 

「住」としては人里離れた山村の古民家を改修しながら住む。「食」は栽培することで賄われ、筆者の利点は猟をしてタンパク質を賄うことが出来るということです。「衣」の部分は流石に自分で賄うのは難しいし、効率も悪いですね。これは買うしかなし。本文では家族のことがちょろっとしか出てないので推測ですが、多分もう大きくなって、一人で好きに生きれるようになったのでしょうか。流石に家族を伴っての山村生活は難しかったのですかね。

 

あと最後に書かれてますが、そうは言っても山村生活が落ち着くまでサラリーマン生活をしていたというのは著者にとっては辛かったのでしょう。お金を否定しつつもお金がなくてはいけない生活から出来るだけ早く脱却したかったのだと思われます。本書の最後にそう報告出来て良かったですね。退職して、山村で暮らす。まぁ老後の楽しみとしてはちょうど良いかもしれません。田舎での山村生活は色々と自分でやることが多くて、暇してる時間なんかないですからね。