樅木は残った

 

 

 

上中下で各500ページ、合計1500ページの長い物語です。しかし流石昭和の文豪。読み始めるとスイスイ読ませてくれます。分量何って気にならないほどあっという間に物語の世界に入り込んでいきます。

 

本書の題材は江戸初期に起こった「伊達騒動」を題材にしています。以前何かの機会でこのお家騒動を知った時に本書のことを知り、いつか読もうと思いつつようやく読むことが出来ました。政宗以降、仙台藩でそのようなお家騒動が起きるなどとは思いもよらなかったのですが、もしかしたら著者である山本周五郎も同じような感想をもとに本書のようなストーリーを暖めて来たのかもしれません。

 

つまり重臣であった主人公原田甲斐が史実で伝わるような狼藉者ではなく、幕府の圧迫に対する仙台藩の行末を案じて演じた忠義者というストーリーです。これはこれでよく出来ていますね。良過ぎて出来過ぎな人物像という気がしなくもないほどです。しかしそれすら昭和の文豪の筆のなせる技なのだと感じました。多分真実は史実の通りなのでしょうが、本書が真の姿であると思いたくなる一冊でした。

元国税専門官がこっそり教えるあなたの隣の億万長者

 

国税専門官である著者が(相続税の調査でよく訪れてたようです)富裕層の特徴をまとめたのが本書です。ここでいう富裕層とは純資産で1億ある世帯のことのようで、日本では全世帯の3.5%が該当するとのこと。

 

そして大事なことは本書の書名にもある通り、意外と身近な人が富裕層だったりするのです。もちろん土地などの相続で得たものもあるでしょうが、それよりも大事なのは意外と質素ということ。その生活習慣は誰でも取り入れることが出来るという点は見習いたいと思います。とはいえ本書に記載されていることは、これさえやっておけばお金が増えるわけでもないですが、逆にそれほど突飛なことではないので自分の生活習慣を見直すためにも読んでみても良いかもしれません。

人生の一大事はデータ科学にまかせろ!

 

前作の「誰もが嘘をついている」はGoogleのデータなどをもとに様々な知見を炙り出していてとても面白かったので、著者の新作である本書を読んでみました。

 

というところで読み始めたのですが、どうやら本書はいろんなデータを調べた結果ではなくって、他の人の研究結果をまとめたようです。なので中身はデータ分析というよりも心理学だったり経済学だったりの研究がもとになっているのである程度知っている内容とかも含めれていて面白みという意味ではイマイチでした。

 

ということで、著者が冒頭で記載しているような野球におけるセイバーメトリクスの人生版というにはちょっと力不足な一冊でした。

40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか

 

氷河期世代を生きた人々に向けた一冊です。世代ごとに憂鬱は異なるとは思いますが、社会人になってからというもの恵まれた思いということがなかったように感じます。就職は難しく、圧迫面接が流行り、働き出してからもブラック企業長時間労働当たり前、メンタルやられる人続出、働きがい詐欺という言葉も流行りました。新卒で派遣しかなれない人が多く、そのため安定した生活を送れない人も多かったです。無事正社員になれても上の世代がつっかえているので当然出世は遅く、給料もなかなか上がらず。家庭においても共働きが増え、子供が保育園に入れないとか騒いだのも我々の世代。出産休暇、育児休暇の取得が奨励されたもの我々の出産がピークを超えた後でした。いやー、書いてるだけで辛い。

 

まぁそれはともかく、そんな氷河期世代も40代になり、人生の先もほぼほぼ見えて来ました。上がいるから出世しないなぁと思っていたら、下の世代が少ないからの若手登用とかで気がついたら下が管理職に抜粋されることもあり、なんでもないまま人生終わるケースも増えて来ているようです。っというか何者ってなんでしょうね。自分はこのタイトルに惹かれて本書を手に取ったわけですが、明確な答えが書いてあるわけではないです。強いて言えば大手企業の管理職ってことなんでしょうか。で、それになれたら何かあるのかな?自己満足程度しかないですね。我々は何のために生まれて、何のために生きているのか、何者かになるために?でも何だか書いていて昔流行った「自分探し」みたいな気がして嫌にやってきます。

 

しかしそれでも何者かになるって何なんでしょうね。ずっと探し続けるものなのか。50代を迎えている筆者もずっと何者とは何なのか、を探し続けて来ているのだと感じます。でなきゃCAやってお天気おねぇさんやって。その後心理学志て、なかなかハードモードな人生だと思います。多分これからも一生足掻き続けてる気がします。足掻き続けるのが人生なのかもしれません。「読んだ後、きっと救われている」と書かれていますが、そんな簡単な話ではないんですけど、まぁ頑張ろうかなとは思える一冊です。

40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか

 

氷河期世代を生きた人々に向けた一冊です。世代ごとに憂鬱は異なるとは思いますが、社会人になってからというもの恵まれた思いということがなかったように感じます。就職は難しく、圧迫面接が流行り、働き出してからもブラック企業長時間労働当たり前、メンタルやられる人続出、働きがい詐欺という言葉も流行りました。新卒で派遣しかなれない人が多く、そのため安定した生活を送れない人も多かったです。無事正社員になれても上の世代がつっかえているので当然出世は遅く、給料もなかなか上がらず。家庭においても共働きが増え、子供が保育園に入れないとか騒いだのも我々の世代。出産休暇、育児休暇の取得が奨励されたもの我々の出産がピークを超えた後でした。いやー、書いてるだけで辛い。

 

まぁそれはともかく、そんな氷河期世代も40代になり、人生の先もほぼほぼ見えて来ました。上がいるから出世しないなぁと思っていたら、下の世代が少ないからの若手登用とかで気がついたら下が管理職に抜粋されることもあり、なんでもないまま人生終わるケースも増えて来ているようです。っというか何者ってなんでしょうね。自分はこのタイトルに惹かれて本書を手に取ったわけですが、明確な答えが書いてあるわけではないです。強いて言えば大手企業の管理職ってことなんでしょうか。で、それになれたら何かあるのかな?自己満足程度しかないですね。我々は何のために生まれて、何のために生きているのか、何者かになるために?でも何だか書いていて昔流行った「自分探し」みたいな気がして嫌にやってきます。

 

しかしそれでも何者かになるって何なんでしょうね。ずっと探し続けるものなのか。50代を迎えている筆者もずっと何者とは何なのか、を探し続けて来ているのだと感じます。でなきゃCAやってお天気おねぇさんやって。その後心理学志て、なかなかハードモードな人生だと思います。多分これからも一生足掻き続けてる気がします。足掻き続けるのが人生なのかもしれません。「読んだ後、きっと救われている」と書かれていますが、そんな簡単な話ではないんですけど、まぁ頑張ろうかなとは思える一冊です。

再興TheKAISHA

 

今時珍しい日本ウォッチャーによる経済書です。バブル崩壊と共に日本式会社経営なるものも興味を惹かれなくなり、全てが過去の遺物、見向きもされなくなりました。ところがどっこい日本企業はきちんと生き残り、会社再編を行い、様々な生産物に欠かせない基礎的プロダクツの提供に力を注ぐようになり、より必要不可欠な存在になってきているというのが本書の趣旨です。

 

本書にもある通り、この変化は必ずしもドラスティックなものではありませんでした。徐々にしかし確実に変化を遂げているのです。多分日本に住んでいる我々もさほど気が付かない程度なので、外部から見たら日本はほとんど変化がないように思えるかもしれません。しかし、そうした変化は着々と、確実に実施されていたのでした。この変化の仕方はあまり変化を好まないという国民性なのかもしれません。

 

今後の変化の視点として大きいのはAI活用によるDX戦略が挙げられています。これはなかなか事業に適した活用の仕方が難しいところだと思いますが、複数の企業がチャレンジングな活動を行っているとのこと。今後の行方を見守りたいところです。

 

全体の流れとして今年の日本株の株高を考えると日本の立ち位置がよくなって来ているというのは確かに感じるところです。これは中国経済の不調により、日本の存在が改めて見直されているからかもしれません(というか日本のこの20年のデフレ経済は中国から輸出されたもの、直接被害を被ったのが日本と思ってます)これから逆回転が始まる中国経済を尻目に、雌伏の期間を生き抜いた日本企業が改めて再興していくことを祈っております。

糖質制限はやらなくていい

 

タイトルと内容が混同しがちなのですが、本書に書いてある「糖質制限はやらなくていい」というのは普通のダイエット的のような目的でケトン食を行おうと考えた場合、糖質制限というほど極端なメニューは不要で、むしろ昔の日本食のような食事を1日3回食べることを推奨しています。巷で目にする1日のうち、空腹期間をおくプチ断食な話も効果として触れられてません。逆にがん患者の方が治療の目的でケトン食を利用する場合は、これはもう完全糖質制限と言っても良いのでは無いかと思えるようなメニューが並ぶようです。ちょっと極端過ぎて本書を読んでどうすれば良いかというと、一般の健康な方はあまり有意な示唆は得られないような気がしました。

 

しかもがん患者へのケトン食は本書を読んだ印象だと、好影響はありそうだけども必ずしも治療として認められるほど確度の高いものかというとそれほどでもなさそうな感じでした。まだまだ研究途中なのかなと思えるくらいです。帯には「病気にならない。老けない、寿命を延ばす」と記載されてますが、実績や本書の記載内容を踏まえるとちょっとミスリーディングな気が致します。そこまで具体的なやり方や効果が謳えてる訳ではないです。まだまだ未知数多な感じですね。