贅沢の探求

贅沢の探求 (河出文庫)

贅沢の探求 (河出文庫)

贅沢の探求ということで、筆者が様々な贅沢を(出版社の金で)体験して綴るという非常にうらやましい企画です。

なんだか、いろんな贅沢が出てきてますがでもこの中のせめて3分の1くらいはなんとか体験出来そうですね。モルトとか、シャンペンとかのお酒にしろトリュフとかキャビアとかの食材やフランスの高いレストランにしろ、食べ物関係は領収書を見れば、後で後悔するかもしれないけども手が出せないことはない。

次に着る物関係で言っても、これはこれで生涯着るものだと割り切ってしまえばスーツにしろシャツにしろ、誂えてもらうのも悪くないものです。靴を木型から自分専用で持っていたら、相当履き心地もいいんだろうし。そういうのはなかなかに魅力的。

最後に手が出せないのはやっぱり住の部分ですね。つまり不動産。マンハッタンとか、プロバンスとかまぁもちろん東京でも満足出来るような物件を買うなんってちょっと厳しいものです。別荘なんかも。あと、厳しいのはリムジンに自家用ジェットなどの乗り物関係でしょうか。

日本は長いこと一億総中流なんって言っていました。多少いても成金なわけです。そこら辺が戦前とも違い、ヨーロッパなどとも違うのですが、文化の厚みに影響しているのではという気がしています。バブルなんって所詮単なる消費だけだったように思えるのです。これから格差社会と言われる中で、お金を持っている人達は有意義に使って、新たなる文化を生み出して行って欲しいものです。