空気と戦争

空気と戦争 (文春新書)

空気と戦争 (文春新書)

「作家の誕生」で見られたように作家の新たなる敵として認定された(!)官僚とはいかなる生き物かということをテーマに、戦時中の軍をモチーフにして語っています。ここで描かれているのは、開戦前の昭和19年に行ったシミュレーションで既に明確に敗戦が明らかにされていたという事実です。そして、それを当時の東條首相ら首脳陣も認識していたということです。

あとはまぁ、「空気」ですね。山本七平で有名のあの「空気」です。負けるとわかっていながら戦争を実行させたあの「空気」というもの。特に官僚組織というものはこの「空気」に特に弱いんですねぇ。組織の根本が村社会だからなのでしょうか。

ただ一つ難点を言えば、この世代の特徴として、全てアメリカ礼賛な点でしょうか。戦争をしたのは日本が悪かったのだと頑なに信じ込んでる点です。アメリカがなぜ、日本を戦争に仕向けたのか全く思慮が及んでないのにはいかがかと思いますが。とはいえ、この「空気」を打破すべく副都知事になられた訳ですからいろいろと今後期待したいと思います。まずはオリンピック立候補を・・・