21世紀の歴史

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

前半は過去の歴史の概説です。ズザーっと凄い勢いです。余りに概観すぎて、流れを俯瞰するためにまとめ過ぎているので、これを歴史と言ったら間違いだらけに見えます。

で、後半がそれに基づいて21世紀がどうなるかという予想です。その予想が本書のメインなのですが、基本的に暗いSFといった感じですね。あまり明るい未来ではないので読んでいてあまりいい気はしません。ニュースというものがその過激さから暗い記事が多くなるのに似て、本書も基本的に現在の過激な情報から過敏に反応した結果をつらつら描いていった感じがします。しかも文章が断定調なので余計内容に疑問符が付きます。

確かにあれだけ様々なことに想像を広げて語れば、多少のことはかするかもしれませんが、実際にはあまり当てはまらないんじゃないかなって気がします。クオリアの茂木が社会学者やったような感じですかね。なんにでも関連性を求めて、だんだん破天荒になって収拾が着かなくなっていく。歴史を読み解く視点として、面白い点もあっただけに惜しい一冊でした。