- 作者: 中島康晴
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/04/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一番なるほどと思ったのはIFRSというのは、経営者が経営に使うものではなく、マーケットがその価値を計るためのものであるという点です。本書では”デューデリジェンス会計”と言っています。つまりもっとぶっちゃけて言えば企業買収用に自分でプライスタグを付けるようなものです。今までIFRSの特徴をいろいろ学んで来ましたが、この”デューデリジェンス会計”という視点を持つと全ての基準が明快になってきます。
それから、ずっと疑問だったのが15年度適用予定で13年度からIFRS基準で会計処理を行わなきゃいけないという煽り。ずっと15年度に過去分の作成を行えばいいんじゃないかと思っていたんですが、そんな記述はど今まで読んだ本の中には見つからず、13年度までに作成出来る体制を整えておかなきゃいけないという記述ばかりでした。本書では明確に過去分作成で問題ないと書いてあって納得ですね。
帯にも「ブームに踊らされてはいけない」と書いてあって、そもそもIFRSの必要性を疑ってかかることから始まっています。とても大切なポイントですね。「我が社への影響はどれくらいなんだ!?」という経営者の一言が、手続論への第一歩として戒めています。経営者の方々はまずはこの一冊だけでも読んでみると良いかと思われます。実務ベースではこの内容を知った上でもっと詳細な一冊で研究しておく必要がありますが。