道迷い遭難

ドキュメント 道迷い遭難 (ヤマケイ文庫)

ドキュメント 道迷い遭難 (ヤマケイ文庫)

先日新潟の方で親子が山に迷って、遭難してしまうという出来事がありました。GWちょっと軽い気持ちで出かけたのでしょう。道を間違えたばかりに、それほど高い山ではなくても親子共に亡くなってしまうという悲劇が発生してしまったのです。自分がその親だったら無念極まりない話です。

実は遭難事故には明確な教訓があるということで本書を読んでみました。まず大切なことは、道を間違えたらすぐ戻ること。すごく簡単なのですが、これが出来ない。本書に載っている方々も道を間違えたと頭をよぎった瞬間がありますが、その後戻るという選択は出来ていませんでした。難しいんですよね、来た道を戻るという行為は。自分も経験があります。幸いにして、遭難するところまではいきませんでしたが、ちょっと山中彷徨いました。

それから、沢に降りず尾根を伝うということです。なんとなく、沢沿いに降りていけばどこかに辿り着くと思ってしまうのですが、それが危険。滝があると降りれない。仮に降りることが出来ても、先に大きな滝があったりして先進めなくなる。逆に滝を上がって戻れなくなる。進退どちらとも出来ず、更にムリを重ねて滑落など、ダメダメな選択を繰り返してしまうことになります。自分では正しい選択を行っているつもりでも、後で検証してみるとダメダメな選択を繰り返していることなるのです。

後は登山届けを出すこと。もしくは誰かにどの山をどのようなルートで、いつ下山するのかも伝えておくことも必要です。GPSやコンパス、地図の携帯も必須ですね。今時は携帯がありますが、バッテリー切れたらお終いなので、やはりアナログ手段も取っておきたいですね。登山は気軽に出来ますが、本書にもある通り、そこそこキャリアのあるような人達でも、千葉のようなそれほど高くない山で迷ったりするのです。十分用心することに越したことはなく、やはり悪事例として本書を読んで認識しておく必要があると言えます。