終わった人

 

これもちょっと前に流行った一冊ですね。メガバンクで出世競争に明け暮れたものの、途中で脱落。子会社で定年まで勤め上げたものの、不完全燃焼で定年後の人生をうまく生き抜けず、足掻く人のお話です。

 

東大行って、当時の都銀に入り、経営層にまで上り詰めながら残るこの満たされぬ思いをみると、果たして人生の正解はどこにあるのだろうかと思うわけです。「成仏出来ないね」的なコメントが話中にされてますが、正にその通りで、これだけ競争に勝ち抜いても上には上がおり、一生勝ち抜くことなど出来ないのです。そしてプライドだけが残り、どうにもこうにも行け好かない存在になってしまうわけです。タイトルにもある通り自分が「終わった人」だと中々認められない。

 

ただまぁ実際自分が「終わった人」だと認めるのは中々辛いことなんですよね。それは人生が終わったことを示すようなものなので。そうするとやっぱり自分の人生がどうあるべきか常日頃から考えておく必要があると思うのですよ。

 

正直万年ヒラリーマンである私には出世の冥利というものは理解出来ないのですが、ある程度働いて、人生それなりに楽しく生きれればそれで良いのかなと思ったりもします。第二の人生と軽々口にするのもアレですが、若いうちはお金を稼いで、家を持ち、家族を養い、安定した生活基盤を整えることがまず大事ですが、それを乗り越えれれば、次のターンで自分のやりたいことをやってみるというのが良いと思うんですよね。所詮出世は他人が作ったレールで他人の評価で定まってしまうものです。そうではなくて、自分でレールを敷くところから、それを憂なくやるような第二の人生にしたいと思います。

 

まぁ主人公も幸せなことにそんな第二の人生を送れそうだと思ったら躓いてしまったのですけどね。元銀行員があんな調子では、注意不足の何者でもないと言われても仕方ないと思いますが。