あしたのための「銀行学」入門

あしたのための「銀行学」入門 (PHPビジネス新書)

あしたのための「銀行学」入門 (PHPビジネス新書)

銀行を顧客に長いことコンサルを行っていた著者が、普通の人に銀行業務をわかってもらうために書いた本です。

っと動機はまぁわからないでもないですが、はっきり言って「銀行業ってこんなに大変なのですよ」っていう言い訳ばかりです。特に前半。批判されることの多い業界ですから、擁護したくなる気持ちもわからないではないですが、コンサルという仕事は擁護するためにあるのではなくて、批判する者すら感心するぐらいの素晴らしい業界にするために助力するためにあると思うのです。これでコンサルで一線を張っていたというのは残念極まりないですね。しかも銀行業界に都合の悪い情報は省略してあるように感じます。コンサルだったら知らないわけないだろうに。

最後のエピローグでようやくコンサルらしいいくつかの提言が書いてあります。やはり銀行の基本は融資(特に中小企業への)にあるのでしょう。投信や保険の販売はどこでも出来ます。運用で稼げるのはなかなか敷居が高いです。日本経済活性化の鍵はやはり中小企業であり、それを支えることが出来るのは銀行なわけですから、こういった提言が実を結んでいってもらえば良いなと感じました。