- 作者: 山崎恵人
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/12/07
- メディア: 単行本
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で、中身はと言うとネットへの思いというか、ネットを通した社会への著者の熱い思いをぶちかました一冊という感じです。GIGANINE創設の理念書というべきか。ただ本サイトと同じように、社会のいろんな分野に思いを馳せているため、内容があっちこっち行って、若干カオス気味です。もう少しまとめようがあったのではないかという気がいたします。
個人的に面白かったのは、教育に関することです。インターネットというものがもう既に世の中にある以上、教育を行うことというのは何をするべきなのかということをもう一度きちんと考えることは非常に重要です。ちょうど京大での携帯カンニングの事件がありましたが、本書にも”パソコン持込可能ならば、どのような問題を作るか”といった質問が投げかけられています。確かに訓練としての勉強は必要だと思いますが、ある程度まで行けば後は知識の多寡などネットが代用してくれます。そして学校の役割として、その先にあるものは”文明社会でのサバイバル”を学ぶ場所だということです。人生で何が重要となるか、そのために何が必要で、どのように検索すれば適切な答えを導けるのか、そんな具体的方法をきちんと教えるべきだということです。確かにもはや”教養”なんって必要ないかもしれませんね。
他にも「フリー」に影響されたネット運営の戦略とか、著作権についてとか、いろんなジャンルのことがあっちこっちに話が飛びながら展開されてますが、これも一応著者の考えだということで、それはそれで面白いのでありですかね。
しかしこの著者、僕より年上かとずっと思ってましたがどうやら年下みたいなんですよね。すごいことです。こんなにきちんと考えて、実行して形にするということを10年継続してきたなんって。ふと我が身を振替ってしまいました。