村上海賊の娘

村上海賊の娘 上巻

村上海賊の娘 上巻

村上海賊の娘 下巻

村上海賊の娘 下巻

2014年の本屋大賞になった一冊です。「のぼうの城」と同じノリでフィクションです。登場人物の描き方がとても漫画チックで映画化するにもとても描きやすいのではないでしょうか。上下巻に分かれていて、上巻の天王寺砦の戦いまではとてもテンポ良く読めたのですが、下巻の木津川の合戦は若干間延びした感がありました。

戦国武将としてはあまり取り上げれれて来なかった村上氏を舞台にしているところも面白いと思います。特に海賊としての生き様や海城や船上の描写など、今まであまり目にしたことがなかったのでとても新鮮でした。著者はこういうあまり今まで日が当たらなかった存在に光を当てることが好きなんですかね。それでも資料など詳細に読み込んでいるようで、あれだけの資料を揃えるだけでもすごいなと思いました。

著者の次作もやはり戦国ものでしょうか。次は幕末だったりして。戊辰戦争の名もなき小藩の戦いとかありそうですね。河合継之助などは著者の好みっぽい気がしますが、司馬遼太郎が書いちゃってるから違うかな。でも今時の歴史小説としては一番の流行作家であるので、期待しています。