信用恐慌の謎

信用恐慌の謎―資本主義経済の落とし穴

信用恐慌の謎―資本主義経済の落とし穴

隠れた名著です。これは良い。エピローグからプロローグまで、一貫した流れは景気循環についてです。この景気循環がなぜ起こるのか?これについて過去の経済学者の論点を、様々な小話を織り交ぜながら解説してくれます。

マネーサプライの重要性・信用マネーの創造・景気循環の発見とそれを制御するための戦いと、その不合理さ・複雑性を指摘しながら資本主義経済の宿痾を指摘していきます。また、章末のまとめコラムも内容が深くて面白いですね。

この本は前回2000年頃のアジア通貨危機後に書かれたものなので、最近の著者の意見など聞けたら面白いと思いんじゃないでしょうか。最近のこの金融恐慌を見るにつけ、振幅が大きくなってきているのは気のせいでしょうか?景気循環ボラティリティなんって研究したら面白いかもしれませんね。