勝算とタイトルにありますが、補足が必要です。日本が今後没落していかないためにある、もはや数少ない勝算ということです。高齢化は既得権があるので、ズルズルと何らか対応はされてきていますが、少子化は既得権がないので放置されっ放しです。どちらを優先すべきかといえば、寧ろ少子化対策を強化すべきでしたが、今まで有効的な手立てが取られていないのが現実です。結局野党のくだらない安倍政権攻撃によって、時間を浪費しているだけで、本書のような対策すらまともに考えられていないのです。
本書で唱えている策というのが、生産性の向上、これは著者の今までの主張であったと記憶していますが、更に一歩進めた意見として零細企業の大規模化を促す、そのためには最終的に最低賃金の向上というのが趣旨です。今まで社会福祉的な考えで最低賃金というものを考えていましたが、確かに企業労働政策として考え直した方が良いのかもしれません。安倍政権は株価を上げて、企業の収益を向上させることで労働者へ還元し、消費に繋げてることで景気循環の向上を狙ったのかもしれませんが、残念ながら労働者への還元のところで、その流れはストップ、労働分配率は低下の一方です。最低賃金制度はこれを改善させるいい手段だと思いました。格差社会が叫ばれていますが、日本の場合トップが伸びて格差が拡がっているわけではなく、下限の底が抜けて格差社会が拡がっているのです。働いても生活保護より収入が下になる可能性があるなどおかしいことが発生してるのですから。
著者の主張はそれなりに社会に影響力があるように感じられるので、政治家の皆様もぜひ本書の内容を勉強して政策に生かしてほしいと思います。このまま適切な手を打たないようでは後世の子供達に非難されること必至です。それは戦争問題よりも更に悪質だと思うのです。
