答えは必ずある

答えは必ずある???逆境をはね返したマツダの発想力

答えは必ずある???逆境をはね返したマツダの発想力

今全ての面でバランスが取れているように見える会社がマツダです。ブランドテーマがあって、それを構成するデザインや走り、車種構成がとてもうまく融合しています。本書はその走りを担う根幹であるエンジンの設計を主導されてきた方の一冊です。このエンジンという分野でも、マツダはブレークスルーと言って良いものを掲げています。SkyActiveエンジンと呼ばれるものがそれですが、マツダの少ない人材リソースでなぜそれを作り上げることが出来たかということにとても興味が惹かれます。

筆者はそれを”ヘッドピン”だと言っています。いろんな課題がある中で、それらを全て倒すことが出来る根本課題にまで整理して、それを解決すべく注力する。やり遂げた人が語ると簡単そうに見えますが、世界中の自動車メーカーが金と時間をかけてやっていることを、マツダという弱小メーカーがこなしてしまうというのはなかなか出来ることではありません。

本書ではそこに辿り着くまでの、マネージメントとしての苦節も披露されてます。こういうのを見ると、どこの会社も、組織も同じなんだなと感じてしまいます。しかし、その中で何かがスパークして成果が上がるのです。マツダだと著者の直属の上司等マネジメント層の力がうまく働いたからなのだと感じます。今度はそんなマネージメントの人達がなぜそのように育っていったのかをまとめた一冊が読めると良いですね。