勇者たちの中学受験

 

中学受験の子供を持つ親としては気が気でない季節になってきました。登場する学校や塾が全て実名なので、真実味を帯びています。解説に書いてありましたが、やっぱり実際にインタビューした内容を元に描いたものなのですね。

 

本書では3つのエピソード、受験生家族を描いていますが、つまりは中学受験におけるハッピーエンドは何なのかってことで、それはそれぞれの家庭ごとに異なると言うことです。それを世間の評判とか親のエゴに惑わされないように、乗り越えていくことが大切だと著者は言いたいのだと感じました。されど中々難しいですよね。上がらない成績、上がる課金。小学校4年(或いはもっと前から!)から捧げた時間と費用に見合う結果をどうしても求めてしまうわけです。何なら親も中受組だと、あんな学校に行くのか!?と言う結果に耐えられない事も起きるのです。

 

産まれる時は健康に産まれることのみを祈り、次は元気に立って歩いてくることのみを祈っていたのに、これ以上の高望みはないなと思いつつもやはり自分の子供たちには良い将来を歩んでもらいたいのです。格差社会と言われようが何だろうが、学歴社会の入り口である中学受験でまず第一歩を後押ししてあげたいと思うのは致し方ない親の性なのです。そしてそのためなら多少の費用は惜しまない。そしてその結果を追い求めてしまう。

 

しかし、所詮中受。子供たちの人生はまだ始まったばかりであり、人生の長い道のりにある初めてのハードルに過ぎないわけです。これに一喜一憂することなく、自然体で結果を受け入れられるように、改めて心を静めれるよう、親御さん達にはぜひ本書を読んでもらえたらなと思います。ハッピーエンドが訪れるように。