DIE WITH ZERO

 

内容はほぼほぼタイトル通りです。ゼロで死ね、つまり宵越しの銭は持つなという江戸っ子の生き様が21世紀資本主義アメリカからの主張と見事に繋がったという形になります。死んで仕舞えば元も子もねぇという至極当たり前な話ではありますが、これを改めて考察してみることに意義があるのだと思います。

 

ということで主張は明快なわけですが、個別の論点に回答を示しているのが本書の読むべきところです。つまりじゃ、お金は何のために使うのとか、子供への相続をどう考えるとか、長寿への対応とかです。でも思うに本当に大切なのはバランスなんですよね。ケチケチしてお金溜め過ぎてもアリみたいに働き過ぎで人生味気ないものになってしまうし、使ってばかりだとキリギリスみたいに冬の時代に餓死してしまうわけです。このバランスが大事。資産を残したところでゲームじゃないんだから、その規模がいくらであってもそこに意味はないんですよね。資産家みたいになることにちょっと憧れてましたが、そんなものになるより、もうちょっといい経験、人生に費やした方がよっぽど楽しいわけです。

 

とはいえ、フト思ったのですが本書の著者もそうですが、こんなこと言ってられるのはそれなりにお金がある人だけ。日々を何とかやりくりしながら生きている人はそもそも0スレスレの生活をしているわけです。まずはもうちょっと資産というか余裕資金ぐらい持っておいた方が良いかもですね。